【コラム】北大東 講師派遣を振り返って

青い空、白い雲、大海原!


9月初旬の絶好の沖縄日和、私たちは北大東島に降り立ちました。

画面越しの講師に会える、との呼び声高い講師派遣ですが、実際派遣される側の講師もドキドキです。

講師派遣の意義についてはすでに素晴らしいコラムが上がっているのでそちらにお譲りし、今回は島を訪れて見つけたことについて、少しだけお話ししたいと思います。


北大東島は人口が700人ほどの島、小・中学生は全部で50人弱しかいません。

これだけ聞くといかにも離島!といった感がありますね。

ライブ授業での生徒たちしか見ていなかった私にもそれが1番強い印象でした。

ですが実際にその場を訪れてみると、数字からは見えない活き活きとした景色が見られます。


生徒たちは毎日、島の行事、太鼓や相撲に励んだり、地元の海で泳いだりしています。

中には放課後、東大ネットアカデミーの授業を受けに来てくれる子もいますが、そこでも支援員の方がひとりひとりに目をかけながら子どもたちの勉強をサポートしています。

都会のような大きな商業施設はないかもしれませんが、15才で島を離れるまでの子どもたちの成長を支え、時には厳しく叱りながらも見守る温かい空間が広がっていました。


東大入学式での上野千鶴子先生の祝辞も耳に新しいですが、世間では「教育格差」の問題が話題になります。

この東大ネットアカデミーもそこを出発点にしているものですが、「格差」への対策というと、どうしても中心から末端、上から下を指導し、導くといった印象になってしまいがちですよね。

もちろん東大生にありがちな、私立中高一貫校に入学後、塾に通いつつ大学を目指す、というケースは効率的かもしれませんが、私が東京で窓の外の高速道路を眺めながら受験のノウハウを聞き流していた時間と、子どもたちが島の眼差しの中でのびのび成長している時間、果たしてどちらが豊かなものなのかな、などと感じたりもしました。


行政などという難しい話に持ち込むと忘れてしまいがちですが、画面の向こうには私たちと同じように生徒のことを思ってその背中を押す地域の人々がいること、何より学ぶために授業を聞きに来てくれる子どもたちがいる、という視点や想像力が本当はとても大切なことなんだと思います。

私も北大東島の海風の中で感じたことを忘れずに、明日からの授業に励みたいと思っています。


(文責:なっとう)

東大コネクト official コラム

教育業界初となる、遠隔地を結んだ双方向ライブ授業を実現した東大NETアカデミー。 当ブログでは、日々の活動や東大生講師による勉強のコツ解説などを公開しております。

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